古典音律ヴィオール製作記 1)

 前回、古典音律3弦馬頭琴の製造過程を製作日記として公開しました。

フレット楽器を弓奏するノウハウデータをおおむね取得する事が出来ましたので

いよいよヴィオールバージョンの製作にとりかかろうと思います。

 デザイン・設計にあたり、基本仕様を決めます。

A  演奏スタイルはヴィオラ・ダ・ガンバ式に椅子に掛け両脚で保持しするが、エンドピンを装着する。

B  本体外形はヴィオール型とし、サウンドホールはFホールを採用。

C  弦は6弦仕様で、4度・3度チューニングの高音から E・B・G・D・A・Eとする。

D  表甲・裏甲共にアーチ形状の削りだし加工とする。

E  ボディーサイズは、3/4チェロとギターの中間位とし

F  指板にはケルナー音律ピッチの金属製フレットを装着する。

 

 以上が主な仕様ですが、製作技術的にはヴィオーラ・ダ・ガンバやチェロと

大差な無いですが、弓奏楽器ですので指板はR曲面になります、そこにケルナー

音律フレットの溝加工をしフレットを各音毎に打ちこんでいかなければなりません。

さらに、フレットに対し各弦が直角になって、さらに1枚の板でなければなりません。

わたくしの知る限りでは今までにこの例はなく、この工法の開発が必須になります。

 

 まず、設計第一段階、デザインスケッチと製図からスタートします。

スケール・弦長を決めないと弦楽器の設計になりませんので、弦長 540mmとします。

スケッチが決まり、女性でも扱いやすいサイズでまず正面図を製図します。

                    胴体単体の寸法は、650×450

この形状が側板になりますので、図面も基に雛形を製作します。

まず図面の半分の雛形を同時に二枚加工し、左右に開いて対称な形状の雛形に再度加工します。